「日本一、これすなわち世界一でごわす」なんてエドモンド本田の謎の名言を地でいくのが、王さんの通算本塁打数とノムさんの通算併殺打数、そして新宿駅の年間乗降客数であります。
ちなみに、王さんの本塁打は22年で868本、ノムさんの併殺打は26年で378個、対して新宿駅の乗降客数はたった1年で13億(1日あたり355万)とまさにケタ違い。
この空前絶後の大記録に続くのは、渋谷(世界第2位＝11億)、そして池袋(同3位＝9億)であり、なんと日本勢が表彰台を独占して鉄道オタクも感無量。さらに、3位以降も国内の駅が延々と続き、海外勢は24位になってようやくパリ北駅(1.9億)がランクインというから、鉄道王国ニッポンのパワーには舌を巻かずにはいられません。
そんな王国の頂点に君臨します新宿駅、その平日は朝4時半の中央線各駅停車進入に始まり、翌深夜1時の中央線各駅停車最終電車発車まで、実に1日20時間30分ものあいだ稼働し続ける世界最強のターミナルなのです。
乗り入れているのはJR東日本の7(埼京線、湘南新宿ライン、成田エクスプレス、東武日光線直通特急、中央線快速、中央線各駅停車、中央本線)を筆頭に、小田急電鉄1(小田原線)、京王電鉄2(京王線、京王新線)、都営地下鉄2(新宿線、大江戸線)、東京メトロ1(丸の内線)の5社13ライン。
さらに、忘れてはならないのは、JR新宿駅より約500メートルほど北、歌舞伎町のすぐ西に位置する西武新宿駅の存在で、こちらは西武新宿線各駅停車と急行、さらに特急小江戸を擁し、1日10万人ほどを埼玉方面から黙々と送り込む、まさに送りバント的いぶし銀の活躍。
JR新宿駅とルミネのコンビをスポットライトに照らされた長島さん的ヒマワリとするなら、西武新宿駅とペペはまさにノムさんばりの月見草といえるのではないでしょうか。
なお、ペペのネーミングが風俗店御用達ローションを彷彿とさせてしまっている今日この頃ですが、駅ビルペペの由来はプリンスプロムナードの略称、すなわち直訳すれば王子様の遊歩道とでもいうべきオシャレなものであることを、歌舞伎町豆知識のひとつとしてここに記しておきたいのであります。
さて、首都圏全域からこれほどの人数が流入する街であれば、当然、風俗需要の高さも国内トップであることは言うまでもありません。
ご存じ、無く子も黙る歌舞伎町エリアにはファッションヘルス、ピンクサロン、ソープランドなどの店舗型風俗店の大半が寄り集まっているうえ、無店舗型風俗店の受付所や、キャバ嬢アンド風俗嬢ホイホイであるホストクラブも多数見られ、夜が更ければ更けるほどに活気づいてゆくさまは、まさに眠らない街。
24時間営業のデリバリーヘルスの需要も高く、特に週末の夜は周辺の安ホテルが満室になることも珍しくないほどの活況を呈すのであります。
ただ、繁華街としての有名税か、はたまた新宿都庁のお膝元にあるせいか、国内でビッグイベントがあるたびに、お上による浄化作戦の標的にされてしまうのは逃れられない運命でしょうか。
結果、平成に入ってから風俗店数は頭打ちになってしまっていますが、その一方で幾度とないモグラ叩きをくぐり抜けてきた人気店舗の安心感、安定感は他エリアのそれよりも数段上の印象で、そんなハイレベルなお店同士が日夜切磋琢磨しているとなれば、エリア全体の水準が常に高値キープされている理由も分かろうというものです。
国内トップレベルの女性を揃え、上質なサービスをリーズナブルに提供するというハードルを越えなくては、ここでは到底生き残れないでしょう。それゆえ、各店ともお得な割引情報の提供に積極的で、同一コンセプトであれば他エリアよりも歌舞伎町の方がお得に遊べるといったことも決して珍しくありません。
ボッタクリや強引な客引きといった昭和の負の遺産は一掃され、残ったのは明朗会計な人気風俗店の数々。年配者の中には少々水が清くなりすぎたと嘆く向きもありますが、昔よりまろやかな出費でキレイな女のコと高確率でチョメることができる平成歌舞伎町は、世界一お客さんにやさしい風俗街といっても過言ではないのです。
